Hocico結成の経緯について教えて下さい
Erk:パンクやハードコアを好んで聴いていたけど15才の頃初めてSkinny Puppyなどのインダストリアルミュージックを友人に聞かされて衝撃を受けました。数年後の1989年に地元メキシコで子供の頃から音楽の好みが似ていた従兄弟にあたるRacsoとエレクトロミュージックを作り始めました。
活動当初のトラブルや困難はありましたか
Erk :ええもちろん活動を軌道にのせるまでには色々と苦労しました。最初の頃はライブごとにフリーのデモを配ったりもしていましたが、まずライブを行うこと自体が一苦労でした。大抵の人はたった2人だけのメンバー編成でショウができると信じてくれなかった。ライブハウス側は「ドラムなし、キーボードとボーカルだけ!?バンドじゃないじゃないか。What's This?」といった反応で多くのバンドとクラブに出演を断られたりしていました。地元にChopというアンダーグラウンド系の音楽を取扱う小規模なマーケットがあって、そこではデモを買ったりシェアして新しいバンドの情報を得られるのですが、自分達も家のステレオで音源をコピーしてその店に毎週10〜20本のテープを置いてもらっていました。そのような地道な活動を続けているうちに少しづつですが支持を得るようになりました。クラブ側のオファーも増え、各地でショウを実現できるようになりました。そのうちにレコード会社からアルバムを出す話をもらいその後の活動範囲の飛躍への大きなきっかけをつかみました。Malylin Mansonなどとも共演しましたしワンマンの動員も1400人ほどまで集めることができるようになりました。
活動当初のトラブルや困難はありましたか
Erk :ええもちろん活動を軌道にのせるまでには色々と苦労しました。最初の頃はライブごとにフリーのデモを配ったりもしていましたが、まずライブを行うこと自体が一苦労でした。大抵の人はたった2人だけのメンバー編成でショウができると信じてくれなかった。ライブハウス側は「ドラムなし、キーボードとボーカルだけ!?バンドじゃないじゃないか。What's This?」といった反応で多くのバンドとクラブに出演を断られたりしていました。地元にChopというアンダーグラウンド系の音楽を取扱う小規模なマーケットがあって、そこではデモを買ったりシェアして新しいバンドの情報を得られるのですが、自分達も家のステレオで音源をコピーしてその店に毎週10〜20本のテープを置いてもらっていました。そのような地道な活動を続けているうちに少しづつですが支持を得るようになりました。クラブ側のオファーも増え、各地でショウを実現できるようになりました。そのうちにレコード会社からアルバムを出す話をもらいその後の活動範囲の飛躍への大きなきっかけをつかみました。Malylin Mansonなどとも共演しましたしワンマンの動員も1400人ほどまで集めることができるようになりました。
Hocicoを通じてどのような一番伝えたいメッセージは?
Erk : 私達の生まれた国メキシコは発展途上で貧しく、人々は些細な事で暴力や殺人を繰返しています。多くの人が攻撃的で人間らしさを失っている。自分達の住む世界で実際に起きている物事のネガティブな側面を包み隠さずに表現したい。メキシコシティでは幼い頃から色々な状況を現実として経験してきました。例えば労働者階層の住む地域ではキッズのホームレスが溢れ、ドラッグがはびこり、人は暴力に巻き込まれ路上で死んでいく。実際に私自身も8歳と16歳の時に2人の叔父を失ってしまった。考えられないような理由、ほんの5ドルや10ドルの金目当てに人は銃の引き金を弾くんだ。ここでは人間同士は憎悪に満ち、命に対する観念が希薄化している。日々多くの犠牲者が愚かな理由で命を奪われるのです。このような現実が人生の意味を嫌でも私に問いかけてくる。Hocicoは第三世界で生きる矛盾と葛藤に対する鬱積した感情を音楽を通じて描写しているんだ。またメキシコにはカソリックによって自由を侵略され文化を塗り替えられた長く暗い弾圧の歴史があります。幼い頃からバイブルの教義を叩き込まれて育った教会に対する敵意をも訴えているのです。もちろんこういったこと以外にもインスピレーションを受けているけど、創作の最も核となる部分は社会への反抗心から来ています。
メキシコのアンダーグラウンドシーンについて聞かせて下さい
Erk : メキシコのシーンは非常に大規模で、ここ5年の間に特に急成長しています。大物アーティストのライブも頻繁に催されています。首都のメキシコシティには3つのクラブがあり木曜から土曜まで毎週営業しています。
ステージのために何か特別にトレーニングをしているのですか
Erk : いいえ特別なことはしていません。ステージに立つとどこからか自然とパワーが漲ってきます。言葉では説明できませんがとても不思議なほとんど無意識に近い感覚です。別の人格になったような。ショウが終わって衣装を脱いだ後に自分がとても疲れていることに気付かされます。
影響を受けた音楽はありますか
Erk : Skinny Puppyは最も好きなアーティストですし、Ministryやパンク、ハードコア、クラブミュージックに色々影響を受けていますがロック系が好きですね。Racsoはクラブ向けのダンサブルなものを好んで聴いていています。
実際に来日する前の日本のシーンに対してのイメージを聞かせて下さい
Erk : ダークシーンについては正確な知識は持っていませんでしたが、ヨーロッパのフェティバル等でみかけて彼等の服装に感心がありました。クラブについては朝の6時になってもまだフロアで踊っている人がいて少し驚きました。音楽がかかってたら昼の1時まででも踊っているんじゃない?(笑)欧米では考えられません。
日本のオーディエンスについての感想を聞かせて下さい
Erk : 始まった頃はみんな踊るより見ている人が多かったけど、すこしづつ動き出すのがみえた。印象に残っているのはそれぞれのスタイルで踊っているという点です。ヨーロッパのオーディエンスは皆同じようなノリ方をします。一人が違うダンスをするとみんな真似し初めるのです。日本のオーディエンスはフリースタイルで個性的ですね。感じたままを表現してかっこいいよ。メキシコの場合は手に負えない凶暴な観客が多くいます。彼等は制限なしに飲んで暴れます。一度ファンに殴られ、私もステージから降りて殴り返してショウ中に喧嘩になったことがあります。『OK,OK殴りたいんだったら殴ればいいよ、俺も喜んで殴り返すから』という具合で(笑)。今では良い思い出ですけど。モスクワでもみんな大暴れでしたし。様々な国でライブの反応を見るのはとても面白いですね。
特に気に入っている国はありますか
Erk : 子供の頃から色々な国を旅行したいと思っていましたが、十分なお金がなかったので実現できていなかったけど、ミュージシャンになって世界各地に行くことができるようになった。各々の国には各自の美点があり必ず何か得るものがあります。メキシコは生まれ育った土地なので私にとっては今でも故郷で思い入れがありますし。ツアーから帰ってきてから行った先々と自国の違いを思い返したりもします。優劣をつけることは難しいですね。どの文化も私を啓発してくれますから。
オフの日はどのように過ごしていますか
Erk : 曲作りです。Racsoはほとんど寝ているか、曲作り以外しません(笑)。真面目に答えればバイクで走ったり毎日ではないけどジョギングをしたり、読書をしたり。。それに犬がとても好きなのでメキシコでは飼っているんですがよく遊んでいます。
日本の文化については何か知識はありましたか
Erk : 日本といえば昔からハイテク社会というイメージを持っていました。私達はエレクトロミュージシャンなので機材を色々購入するのですが初めて買ったシンセもYAMAHA製でしたし,ペダルも日本製でした。ハイクオリティのエレクトロニックスが揃っているという印象がその頃からありました。そういえば父が個人的に買ってくれたテープレコーダーもです。Made in Japanと記載されていたら品質は信頼できるというイメージが定着していますね。
最後に日本のファンへ一言お願いします
Erk : 来日する来る事ができてとても良い経験ができました。日本のファンのみんなどうもありがとう。是非近い将来また戻ってきたいです。